田舎での夏休み・・・2日目

今日はチビふたりとおばあちゃん(母)、私の4人で、友達がやっている馬牧場に行く約束をしている日。チビたちは昨日から楽しみで仕方がなく、早起きして 「何時に出発?」 と繰り返し聞いてくる。
掃除や洗濯を終え、お盆のためのお花を注文し、午前中の用事は完了。今日もおじいちゃん(父)の車を借りて出発。東北自動車道を北上し、牧場最寄の西根インターを目指すのだ!


家を出るときからガソリンが少ないことには気付いていたが、高速道路を走っているうちについにランプが点灯し、かなり焦る!

西根インターより手前にはGSのあるサービスエリアは無い。何となく、スピードも出なくなってきたような気もしてきた。高速に乗る前に寄れば良かった、だの西根インターを降りたらすぐにある、だのプチ言い争いが起こったが何とか無事にインター出口に到着し、ひと安心。
インターを出て数分走ったところに、「道の駅にしね」 がある。この辺りは、私の大好きな岩手山がキレイに見えるお気に入りエリアだ。が、この岩手山、私の熱い思いを知ってか知らずか、私が帰省するとなかなか顔を出してくれない。家族みんなが 「不思議だねぇ」 と言うほど、私が居ると顔を出さない。今日も雲の帽子を被っていたが、ちょっと脱いだ瞬間にパチリ!


西根町は、私が大好きな地酒 「鷲の尾」 を造っている株式会社わしの尾のある町。今回は牧場が目的なので寄らなかった。残念!
そして、西根町はほうれん草の里でもある。ほうれん草カレーライスやほうれん草入りアップルジュース、ほうれん草まんじゅう、ほうれん草とうふ等があるが、ほうれん草ソフトクリームは有名で、「いま道の駅にしねに着いたよ」とメールした兄からの返信にも 「それなら、ほうれん草のソフトクリームを食べておいで」 と書かれていた。今回はチビのリクエストでミックスにしたが、私はほうれん草だけの方が好きだ。しつこくなくて、ほうれん草風味もちゃんと味わえる。牛乳もたくさん作られている地域なのでミルク部分も美味しい。結局、どちらを食べても美味しいのだ。


道の駅にしねは、地域で朝に採れた新鮮な野菜やお花、手作りの団子、お菓子など等が並んでいる人気の道の駅。お盆のこの時期は、建物内だけでなく外の特設会場でもお花を売っていた。
採れたて新鮮野菜にはひとつひとつ、品名や値段の他に生産者の名前が記載されている。
かぼちゃ?と思って近寄って見たこれは何と、ズッキーニ!スーパーで見かけるズッキーニはきゅうりのオバケみたいな細長い形をしているが、このズッキーニは真ん丸。小さめのかぼちゃぐらいの大きさで、片手では掴めないほどだ。面白いなぁ。味はどうなんだろう。形にも驚いたが、こんなに大きくて100円という値段にもびっくり!

道の駅にしねを盛岡方面に走って数分のところに、八丸牧場はある。運営しているのは私の大好きな友達とその旦那様の会社、80エンタープライズ

彼女とは5月にうちに泊まりに来て以来なので3ヶ月ぶりだ。その間、私は入院・手術をしてヘロヘロだったが、彼女は相変わらずパワフルで、日に焼けたその笑顔から元気が溢れている。旦那様にも初めてお会いしたが、人っこの良さが日に焼けた顔から伝わる素敵な方だった。
彼女と馬車引き馬の大ちゃんの話はフジテレビ 「奇跡体験アンビリーバボー」 で放送されたこともあるので、観た人も多いと思う。東京で彼女の話をすると、「その話、聞いたことがある!TVでやったでしょ」 と言われることもしばしば。
そんな友達夫妻自慢の手作り牧場に到着!

車を降りてまず驚いたのが、その広さ!自分たちで耕して作った苦労話を聞いていたので、それほど広い敷地を想像していなかったからだ。そして次に驚いたのが、敷地内の植栽の素晴らしさ!木の選別といい、バランスといい、とにかく素敵!

敷地内は明快に2種類に分けられているようだった。木や草花などの植物が植えられている場所と、植えられていない土の場所。植えられていない場所が馬や人が歩く道だ。「ここは植栽エリアです!」と主張するような柵はどこにも無い、究極のバリアフリー。植栽の垣根も、人と自然の垣根も無い。
敷地内の植物は、お隣の植木屋さんによって植えられた木々ということで、無造作に見せながらも良く考えられた配置で植えられている。植木屋さんのお客様が、牧場内に植えられた木々を見にいらっしゃることも多いそうだ。何て素晴らしい隣組
写真は、名前は分からないが、ガーデンでいちばん気に入った木。

友達に敷地内を案内してもらう。馬に大興奮のおばあちゃんとチビたち。植栽に夢中の私。

普段、たくさんの人たちと接している友達は、子供の相手も上手だ。チビたちが言葉を発するように上手く質問をしてくれる。最初は緊張していた人見知りのチビたちも、だんだんと牧場の空気や馬との接し方に慣れ、自分から馬に近寄って行くようになる。
ポニーの柵の前に来たとき、友達がチビたちに 「ちょっと、こっちに来てごらん」 と声を掛けた。呼ばれてもいないのに、私も後に続く。「これはブラックベリーっていうんだよ。色が黒っぽくなったものは食べられるから、自分で採って食べてみて」。おばあちゃんと私は 「昔、裏山にあった山の実の大きい版だね。懐かしいねぇ」と言いながら食べた。もう、楽しくて仕方ない!

今日は陽が照りつけて暑い!ちょっと休憩しようということになり、3枚上の写真に写っている緑の傘の下で休むことにした。

酸味の効いた紫蘇ジュースと、ここで採れたブルーベリーをごちそうになる。 「ブルーベリーね、最初はみんな食べてたんだけど、たくさん採れすぎてそのうち、誰も食べなくなったの。これ全部食べていいから、いっぱい食べてね」 と言われ、ブルーベリーが大好きな上のチビは、遠慮なくパクパク食べていた。そして私もベリー大好きなので、お言葉に甘えてパクパク。いやぁ、美味しい!東京でこれだけ買おうと思ったらいくらすることか!アリガタヤ、アリガタヤ。
お皿やコップにはアリやアブが近寄ってくる。家にいるときなら 「キャー!虫ぃ!!」 と大騒ぎするチビたちが、この環境ではそれを受け入れられている。この変化は面白かったなぁ。

久しぶりに会った大ちゃん。安比に居た頃はしょっちゅう会えていたが、ここ数年は会えていなかったので本当に久しぶり。

馬車を引きながら友人と一緒に新聞やwebに掲載された画像を見てはいたが、やっぱり本物は大きくて迫力満点だ。草を片手に 「大ちゃん、久しぶり」 と声を掛けた。目の前に来てくれた大ちゃんはやっぱり大きく、その黒い瞳は優しく、地面を蹴ると私の足元まで地面が揺れるほどのパワーも健在。
体にかけている布は、アブ避けのための布だそうだ。それでもお腹の辺りを狙ってくるアブがうっとうしいようで、顔や足を使って振り払っていた。
19歳の大ちゃん。いろいろあったけど、いまがいちばん幸せだろうなぁ、大ちゃん。彼女と大ちゃんのいままでの出来事を思った瞬間、大ちゃんの体から出ている幸せ空気をふわーっと浴びたような気がした。

チビたちはひとりずつポニーのリズ(エリザベス)に乗せてもらい、敷地内を一周した。

最初は怖がっていたが、途中からは片手を挙げてピースサインができるほどに慣れてきたようだった。動物が大好きなふたりには、すごく楽しい体験だったようで、家に帰ってからもリズに乗ったことがいちばん楽しかった、と言っていた。
降りた後は、リズのお手入れをお手伝い。自分たちの手のひらより大きいブラシを手に、毛の流れに沿ってブラッシング。
手前のチビが左手に持っている丸が重なったものは、ブラシに付いた毛を取る道具。初めて見る道具に戸惑いながらも、気持ち良さそうな顔のリズを見て、ふたりとも大満足だったようだ。

この後、リズの大好きなおやつをあげて、お手入れは終了。リズをおうちである柵の中に連れて行くことになった。

最初は小さいチビから。お手入れをした建物からチビが綱を持ったところまでは緑のない土の道だったので、友達に教えられたとおりに上手に連れて行くことができた。
次は大きいチビの番。さぁ、ここからが問題だった。友達に言われたとおり、口元で綱を持ち、リズの顔の横に並んで歩き出したところまでは良かった。ところが、ここからリズのおうちまでの道の脇には草がたくさん生えているため、リズは草を食べたがり、なかなか前に進んでくれない。
これぞ正しく 「道草を食う」 。手こずるチビと、草に夢中のリズとの戦いが始まった。これはリズがおうちに入るまで続くことになる。

無事にリズをおうちに入れた後は、チビふたりと私は他の馬たちにも草を食べさせたり、コニファーガーデンを散策したり、ガッチリ日焼けするほど楽しんだ。友達とおばあちゃんは傘の下のベンチに座り、楽しく話し込んでいた。時折、敷地内に友達のガハハ笑いが響く。毎日こうやって、豪快に笑ってるんだろうなぁと思ったら、こっちまで可笑しくなって思わず笑ってしまった。
おばあちゃんは、じっくりと話を聞いてくれない私にいつも文句を言っているので、すごく満足したようだった。嫁に行かない私のことも、友達を通してぼやきまくっていた。
ふたりのチビも、大好きな動物と半日遊べて、本当に楽しかったようだ。ふたりとも、夏休みの日記にリズのことを書く!と張り切っていた。
友達の仕事の素晴らしさを目の前で見ることができて、私もすごく楽しかった。東京に住む私とは対極の生き方をしている友達。それでもきっと私たちはずっと友達で、これからも時々お互いの生活の場所を訪ねては、お酒を飲み、 「ガハハハハッ!」 と笑い、他愛もないおしゃべりをするのだろう。



道の駅にしね   東北自動車道の西根インターから数分で行ける便のよい道の駅です
株式会社わしの尾   鷲の尾はもちろん、八幡平リゾートホテル限定のお酒ケーキも美味しそうです
●八丸牧場(80エンタープライズ)   大ちゃんやリズはもちろん、他にもたくさんの馬が待っています!