新宿高野 秋のフルーツケーキ

今日はシフトの関係で、女子率が高かった。声のでかい賑やか女子ふたりH&Nも両方出勤だったので、事務所には時折、ふたりの声が響いていた。
午前中、休憩を終えたふたりはおしゃべりをしながら事務所に戻ってきた。ドアの向こうにいるときからその大きなギャハハ声が聞こえていた。戻ってきたふたりに 「ふたりが戻ると、5人分ぐらい賑やかだねぇ」 と言うと、「そうッスかぁ?」 とH。「あたしたち、うるさいッスよね」 とN。
やばっ!と思いながら 「いやいや、ねぇ、Iさん・・・」 と唯一席に居た男性会Iさんに振ったのが失敗だった。それからのちょっとしたH&Nとのやりとりで、ふたりの機嫌を軽く損ねてしまったIさん。きっかけを作ってしまった私は、Iさんに悪かったなぁ、と思いつつ、その様子をニヤニヤして眺めていた。


昼休み。みんなより遅めに外に出たIさんからNに外線で電話があった。
電話を切ったNが嬉しそうに私に話す。 「Iさんが、みんなにケーキを買ってきてくれるそうなので、TAKANOをリクエストしちゃいましたー!もっと安いのにすれば良かったかなぁ。さっきのこと、気にしてるみたいで」 とウキウキしている。
女子は恐ろしい。そして女子に気を使う男性社員は大変だ。ちょっとH&Nをからかってみただけなのに、Iさんには悪いことをしたなぁ。


Iさんより遅くランチに出た私が戻ってくると、机の上にTAKANOの箱が置いてあった。
Nに 「Iさんからです。2種類ありますので、お好きなほうをどうぞ」 と言われた。すっかり自分のものになっているN。女子は恐ろしい。箱を開けて見ると、横にはHが立っていて私にケーキの説明をしてくれた。彼女もケーキにウキウキだ。女子は恐ろしい。
箱には、フルーツがたくさん載ったケーキが2種類。ぶどうや柿など、秋のフルーツを使った鮮やかなケーキ。
とってもキレイで思わず 「うわぁ」 と声が出てしまった。「うわぁ」 の後には 「代償は大きかったねぇ」 と続けたいところだったが、その言葉は呑み込んでおいた。

フルーツの下のムース、すごく美味しかったぁ。微妙な心境で頂いたケーキ。
職場の人間関係って大事だけど大変だなぁ、と思い知らされた日だった。


新宿高野   フルーツパーラーでは秋のフルーツがたくさん出ているようです