早春の和菓子

陽射しが眩しく感じることが多くなってきたここ数日、「もうすぐ春だねぇ」 と口にすることも多くなってきた。
そろそろ和菓子も春デザインになっているかなぁ、と思って、昼休みに 「紅谷」 に行った。紅谷さんは、とても優しいこし餡が大好きで、ちょこちょこ立ち寄るお店だ。
お店の方もとても親切で、気持ち良く買い物ができるのも好きな理由のひとつ。今日も、ずらりと和菓子が並ぶショーケースをじーっと眺めて悩んでいる私を急かすことなく、気にする風を感じさせず、静かに待っていてくださった。


じーっと悩んだのは、この2品があったから。目的の上生菓子の脇にちょこんと座っていて、つい買ってしまった。

左は雪だるまのおまんじゅう、右はいちご大福。
雪だるまのおまんじゅうは、確か 『雪だるまん』 という名前だった。最後に 「ん」 が付いているのは、まんじゅうだからかな。秋の、赤とんぼと同じ素材だ。ふたつ重なったおまんじゅうに、薄い羊羹で可愛らしい表情が作られている。ふふふっ、見ているだけでニヤリとしてしまう。
いちご大福は、外側に粒々が塗してある。お店の方に聞いたところ、カステラを細かくした粉だそうだ。まるでケーキのよう。餡は少なめで、いちごの酸味と皮のモチモチ感にカステラ粉の食感がプラスされ、口に入れても楽しい大福になっている。こんないちご大福、初めてだ。とても美味しいのだが、カステラ粉がポロポロと零れ落ちるので、食べるときには気を付けないといけない。

そして、こちらが主役の上生菓子
紅谷さん、ごめんなさい!仕事が終わって席を立ったとき、箱ごと真っ逆さまに落としてしまいました!本当はもっともっとキレイな和菓子なのに。。。でもやっぱり記録しておきたいので、アップしちゃうのだ。
左から 『ろう梅』 『下萌(したもえ)』 『こぼれ梅』 ・・・記憶が正しければ、だけど。

蝋梅(ろうばい)は、正に今から咲きほこる香りの良い黄色い梅。今年こそ、長瀞宝登山に観に行きたいと思っている花だ。この和菓子、少しくすんだピンク色がとてもとても好きな色で、一目で気に入った。
下萌というのが聞きなれない言葉だったのでお店の方に聞いたところ、まだ雪の残る山の麓に緑が顔を出している風景をデザインしたそうだ。元はもっと雪山がキレイに表現されていたのに、ごめんなさい。絵画のようで本当に素敵!
こぼれ梅は、いちばん潰れてしまった。本当にごめんなさい。。。薄いピンク色の真ん中に鮮やかな梅が咲いていたんだけど、その梅が伸びてしまって・・・残念。

箱を落として失敗してしまったけど、お店で充分デザインを堪能したし、味は変わらないし、今回は反省しながらいただくことにしよう。賞味期限は、いちご大福だけが当日、他は2日。撮影したら職場の女子たちにあげよう、と思っていたのに真っ逆さまに落下。結局、全部自分でいただくことになっちゃった。


とにかく、その細工の素晴らしさにいつも感動する。やっぱり、和菓子っていいなぁ。


御菓子司 紅谷   餡が美味しい和菓子屋さん。これからは3月の雛祭り菓子や道明寺、夏の 「夕涼み」 も楽しみです。皮が黒めのどら焼きも美味です。