夏休み1日目 : 帰省 〜 イギリス海岸

いよいよ今日から夏休み。わーい!10時前の新幹線で東京を出発し、12時半ぐらいに盛岡駅に到着。

いやぁ、東京と同じぐらい暑い!なんじゃこりゃー!東北に来て暑いと、何となく損した気分になってしまう。
今朝、 「盛岡駅まで迎えにいこうかな」 とお母さんからメールが来た。いつもは東北本線の最寄り駅まで迎えに来てくれるのだが、今回はどうしても盛岡駅まで行ってみたいという。新幹線の中からメールで何度もやりとりをし、駅の北口改札前ソファーにちょこんと座っているお母さんと無事に合流できた。それからお茶をして汽車に乗り、家に到着したのは14時前。家の中も暑ーいっ!お父さんは家の中で濡れタオルで体を拭き、暑さを凌いでいた。私にもすぐ、お母さんからタオルが渡された。もちろん、濡れたヤツ。エアコン点ければいいのに。



我が家のあるところは、田んぼを埋め立てた住宅地なので、周りはまだまだ田んぼだらけ。この景色を見ると、 「あー、帰ってきたなぁ」 と思う。すごくイイお天気で、あぜ道をウロウロしただけで汗だくだった。足元の草たちは、元気なようなでもあり、ヘロっているようでもあり。
稲はすくすく元気に育ってるぞー!他人んちの田んぼだけど、勝手に自分の田んぼのように思っているので、この緑のじゅうたんが可愛くて仕方がない私。


そして、この空も雲も、いまこの瞬間は私だけのもの。
田舎の空は広い。広くて広くて、叫びたくなるぐらい嬉しい。深呼吸をしてみる。この雲たちがシュルシュルシュルーっと口から体の中に吸い込まれてくるかも!?などという馬鹿げた妄想もどんどん広がる。
雨上がりのあぜ道は、少し湿った感じが残っている。草がチクチクと足を刺してくるが、そんなのお構いなしだ。草たちからの挨拶だと思えばいい。


あまりの暑さにエアコンのあるリビングから出たくなくてダラダラしていたら、あっという間に夕方。このままじゃぁ、なにもしないまま一日が終わっちゃう!思い立って車に乗り、花巻市にあるイギリス海岸に向かった。帰りにスーパーで買い物をしたい下心満々のお母さんも便乗・・・じゃなくて同乗。久しぶりだなぁ、イギリス海岸。花巻市岩手県の内陸に位置しており、海はない。海がないのに海岸?


イギリス海岸とは、北上川の水量が少ないときに見ることができる泥岩層のこと。イギリスのドーバー海峡に面した白亜の海岸を連想させることから、宮沢賢治がそう名付けた。車で向かっている私の頭の中には、イギリス海岸のベンチに座りボケーっとしている自分の後ろ姿。うふふ、ステキ!
ところが!だ。到着すると、いつものイギリス海岸じゃない! 「お母さん、昨日の雨、いっぱい降った?」 と聞くと 「うん、結構ね」 とのこと。そのため北上川の水量が増え、イギリス海岸どころかただの増水した川になっていた。ふえーん!せっかく夕日のイギリス海岸の写真を撮りたかったのにぃ!デジカメとポラロイドカメラとEYE2と携帯のカメラ、すべて持って出かけたのに・・・ぐすん。イギリス海岸らしい姿はコチラで。


イギリス海岸の周りは、遊歩道が整備されて散策し易くなっていた。観光客らしき姿もちらほら。私はすぐに来られるけど、遠くから来た人たちは残念だろうな。駐車場周りにはひまわりがたくさん植えられていて、イギリス海岸にガッカリした観光客も写真をたくさん撮っていた。奥に写っているのは、すごーく大きな木。高台にあるので、この木は私が 「イギリス海岸に到着ー!」 とはしゃぐ目印になっている。



これはイギリス海岸脇にあるトイレ案内。賢治が羅須地人協会の玄関脇の黒板に 「下ノ畑ニ居リマス」 と書いた文字が有名だが、それをもじった案内 「向コウノ堤防下ニ御手洗ガ有リマス」 。賢治好きはニヤリだね。



こちらは賢治の 「イギリス海岸の歌」 より。
「なみはあをざめ 支流はそそぎ たしかにここは 修羅のなぎさ」


一緒に行ったお母さんはイギリス海岸も宮沢賢治も、あまり興味がない。

その証拠に、お父さんと3人での夕飯タイムに 「今日行った、何だっけ?あの何もない所」 とイギリス海岸のことを聞いてきたもん。娘があんなに喜んでいたのに、何という言葉。ま、お母さんの目的は、帰りのスーパーでのお買い物だったんだもんねぇ。
そんなお母さんがひとつだけ、喜んだことがある。イギリス海岸のベンチ脇を通ったときのこと。 「見てみて!大きいクルミの木!実がいっぱい生ってるよー!ほら、あっちにも何本もクルミの木があるー!」 と大興奮。 「落ちる頃、拾いに来ようかな。でも、持って帰っちゃダメなのかなぁ」 とクルミのことで頭がいっぱいの様子。 「国指定名勝だし、ダメなんじゃない?」 と言ったところ、本当にガッカリしていた。あはははは!


遅い時間にお昼を食べたのであまりお腹も空かない。お母さんと相談し、夜はそうめんにしよう!ということになった。スーパーでお母さんとお買い物。付け合せを考えながら 「ナスは?」 と聞くと 「あ、お友達にもらったのを、揚げ浸しにしてあるよ」 とのこと。 「薬味のシソの葉は?」 と聞くと 「お庭に生えてるから」 とのこと。 「ピーマンとかししとうの天ぷらしない?」 と言うと 「ピーマンもししとうも、お庭にあるよ」 だって。 買わなくても、周りで食材を調達できる環境に、思わず笑ってしまった。そういえば、トマトもお庭の片隅でイイ色になってたもんねぇ。お庭のシソの葉、もの凄く強い香りで美味しかったぁ。


今日のビールのおつまみは、お母さんと盛岡駅のお土産市場をぶらぶら歩いていた時に見つけた、ホタテの貝柱 (乾燥バージョン) 。

いまの場所に引越して来る前の私たちの田舎、沿岸の宮古市にある海産物屋さん・山口商店がお土産市場に入っていて、そこで売っていた。お兄ちゃんもチビたちも大好きなので、お母さんが1本購入。写真に入りきらないのでクシャっとしたけど、これが長いままダラーンと何本も束になり、吊るされて売っている。これで1980円。貝柱の数を数えたら、41個入っていた。実は、これよりも更に長い3000円ぐらいのバージョンもある。このまま食べても美味しいし、ご飯と一緒に炊くとホタテの香りがするご飯になって、これまた美味しい。お兄ちゃん一家が来たら、あっという間に無くなっちゃうんだけどねぇ。

おまけでもうひとつお土産市場で買ったもの。青森県の 「がっつり青森 汐ラー油」 。

ブームの食べるラー油だ。惹かれたのは 「汐」 という文字。これが 「塩」 だったら買わなかったかもなぁ。ラベルに大きく 「青森県産にんにく 福地ホワイト六片100%使用! 青森県むつ湾産ホタテ100%使用! 青森県小泊沖で捕れたイカ100%使用!」 と書いてある。厳選素材なんだねぇ。美味しそう!辛いもの大好きなので、試しに買ってみた。

ホカホカご飯に載せたお姿がコレ。色んなものが入っているのが分かる。にんにく、結構デカイ。普通の食べるラー油に慣れていると、お醤油を垂らしたいぐらいのあっさり具合で美味!ご飯が何杯でも食べられそう。


さぁ、いつもエアコン点けっぱなしで寝ている私は、エアコンのない暑い夜を乗り越えられるのか?これを書いている今は、窓を開けている。コオロギの大合唱は耳に心地いいねぇ、と思っていたら、急にスーイッチョンの連呼が始まった。おいおい、何で23時半スタートなんだ?耳にビリビリ響くよー!暑さだけじゃなく、虫の声とも戦いになりそうだ。
眠れたのかどうか、結果は明朝!


宮沢賢治ゆかりの観光スポット   実際に行くなら、このマップは便利です!
がっつり青森 汐ラー油   楽天市場で購入することができるみたいです



【今日のポラロイド写真たち】