京都シルバーウィーク旅行 3日目 仁和寺とお土産ショッピング


あー、三日間って早いね。もう今日は東京に帰る日だわ。。。起きてからずっと 「あーん、帰りたくないよー」 を連発。連発しながらも荷造りをしないと帰れない。ふたりともキャリーバッグはホテルから宅配便で送るため、ギューギューに詰める作業に追われる。冷蔵庫には昨日の残りのドリンクや買っておいて食べられなかったスウィーツがゴロゴロ。 「今朝はこれを食べないとね」 ということで、朝ごはんは冷蔵庫の片付けをすることになった。うーん、朝の胃袋にスウィーツは厳しいわぁ!荷物を減らすには仕方ないので、なるべく胃袋に放り込んだ。さすがに朝一でビールは無理!と、それはタオルに包んで荷物に入れた。



大きい荷物を送り、身軽になってホテルを出発!あー、荷物がないって楽チンだねぇ。今日は私のリクエストで仁和寺と、鉄子ちゃんのリクエストで龍安寺に行くことに決めた。世界遺産のはしごだ。ふたつは近くにあるお寺だから、新幹線には間に合うでしょ、ということで出発!
地下鉄改札脇にある駅員さんの事務所は、車両の形をしていてとっても可愛らしい。毎回、写真を撮らずにはいられない。今日は烏丸御池駅の改札でパチリ!うーん、鉄道鉄子ちゃんもニヤリ。



  
京都駅からバスに揺られること40分。 「御室仁和寺」 バス停は仁和寺の真ん前。バスを降りると、目の前にドーンと立派な門が現れた。バスの通るような道路の真ん前に門があるなんて、初めて見たかも。道路の真ん中に立たないと、この門を真正面から撮影できないんだもんなぁ。道路から階段を上がったところにそびえる門なので、見上げると首が痛くなるほど。とにかく堂々とした大きい門だ。その高さは18.7メートルもある二重門の仁王門。左右には門と同様、とても大きな阿吽の仁王様がもの凄い形相で立っている。この仁王様の後ろ、門を境内の方から見た側には、唐獅子の像が左右に安置されている。曇って蒸し暑い日なので、見上げる空は真っ白。これが青い空だった、もっともっと門が映えただろうなぁ。



仁王門をくぐり、境内へ。拝観料を納めて本坊表門をくぐり、御殿を拝観しようとしたところ、ここにも修学旅行の学生さんたちがいた。4〜5人のグループだったから、自由行動の日なのかな。観光ハイヤーを使っているのか、案内のおじさんが付いている。またもや私たち、その脇に立っておじさんの案内に耳を立てる。仁和寺天皇など皇子皇孫が住職を務めた門跡寺院で、御室御所と呼ばれてきたそうだ。それで駅やバス停も 「御室」 なんだね。ふむふむ、学生さんと一緒にお勉強。
平成6年、 「古都京都の文化財」 として世界遺産に登録された仁和寺。今日、拝観予定の龍安寺も同じ。御殿入り口を入った長押の上に、その登録証が額に入れて飾られていた。横文字だったので証明書なのかどうかは定かではないけど。



白書院の広縁から望む南庭。1日目に見た南禅寺の方丈庭園とはまた、趣が違う。南庭は奥行きがあって、広い。白川砂が美しく整えられており、手入れされた松や杉が所々にまとまって配置されている。真ん中に見えるのが先ほどの仁王門、その左側に見えるのが勅使門。白川砂が多いからか、とてもしっとりと落ち着いて静かな風景だ。お空が青かったらまた、印象が違っていただろう。
庭内には左近の橘、右近の桜が植えられている。


宸殿から眺める北庭。仁和寺といえばこの景色。あー、青空プリーズぅー!
白川砂が敷き詰められた奥には池、そして山の緑と飛濤亭、遠くには五重塔が一緒に目に入る。全てを取り込んだ借景庭園、素晴らしい!ここでも広縁に座り、静かに眺めてみた。時間が止まっているようだ。いや、確実に止まっている。


少し横に移動してみると、また違った景色。秋に木々が色付いたら更に、美しいんだろうな。
枯山水の庭では白川砂が水を表していて、それもまた良かったが、こうして実際に池があると、やはり水の力を改めて感じる。
海のある町で育った私にとって、水のある風景は落ち着く。
静寂の景色は美しい。


北庭を霊明殿の方から見た景色がこちら。
後ろがさっきまで南庭を眺めていた宸殿。広縁に座って南庭を眺める人たちが写っている。
こんな景色を、長い年月を経た今、見ることが出来る幸せ。遺産というものの価値が少しだけ分かった気がした。


宸殿の見事な襖絵、いろんな表情を見せるお庭を堪能し、白書院から出口に向かっていたときのこと。ふと立ち止まって、開かれた窓から南庭を見てみた。思わず 「うわーっ、見てー!」 と鉄子ちゃんを呼び止めてしまった景色がこれ。窓枠が額縁で、そこに切り取られた南庭が見えた。なんて素敵な画なんだろう。それから、ゆっくり歩きながら、それぞれの窓からの景色を楽しんだ。そっかぁ、こういう楽しみ方もあるんだね。
昔の人たちの、自然を楽しむ知恵に感服。どの画も、本当に素晴らしかった。日本に生まれて幸せだー。



御殿を出て、金堂に向かう。
歩きながら左手に見えてきたのが、さっき宸殿から見ていた勅使門。小さいながらも重みがあり、近付いて見るとひとつひとつの彫刻装飾が、とても細かく丁寧になことがよく分かる。特に扉の真ん中辺りの、この透かし模様は綺麗だった。実は私たち、かなり奥にある金堂に向かうのにずんずん歩いていたので、 「あー、さっきあっち側見ていた勅使門だ」 と通り過ぎかけたのだが、この透かし模様から南庭の緑が見え 「うわぁ、凄い」 と見に戻ったのだった。

 
国宝の金堂と、重要文化財五重塔。金堂は、京都御所の紫宸殿を移設したものだそうだ。立派な屋根と壁面装飾の美しさが印象的な本堂だった。五重塔は、各層の屋根の大きさがほぼ同じ。これは江戸期の特徴だそうだ。


さてさて、朝ご飯は旅行中に買ったスウィーツとペットボトルの飲み物で済ませた私たちは、早々にお腹が空いてきた。これからまだまだ歩かないといけないがパワーが出ない。そこで、境内の御室会館に入っている 「和食処 梵」 でお腹を満たすことにした。

ふたりとも同じ 「ゆば丼」 をオーダー。
白いご飯が生湯葉で覆われ、その上にトロトロの甘酢あんが掛かっている。あんの上には大葉と海苔と、そして何と梅干!小鉢に入っているのは温泉卵。付け合わせに山葵。
色んなものがご飯に載っているが、どれも必要なんだなぁ。全てが合わさって、美味しさを引き立てている感じ。トロトロあん、美味しかったぁ。そして温泉卵!これをご飯に掛けて、まぜまぜして食べたらもう、最高!あんの甘さが抑えられ、でも更にまろやかな感じになる。温玉、必須だね。それにアクセントをつけてくれる山葵。これも必須。あー、美味しかったぁ。


ご飯を食べ終わって時計を見ると、ちょうどお昼。あれ?けっこう時間が経ってるね。新幹線は15時。お土産を買うことを考えると、龍安寺を拝観するのは難しいね。初日に枯山水のお庭も見たし、と自分たちを慰め、ここから京都駅に戻ることにした。やっぱり計画性って大事ね。


おまけ。
京都のバス停でよく見掛けたこの椅子、すごく可愛らしくてやっと、最終日に撮影できた。嬉しい!地元の人らしいおじちゃんが、この椅子を撮る私を不思議そうに見ていた。たはは。。。
実は仁和寺を出たところで鉄子ちゃんが 「わがまま言っていいですか?」 と言ってきた。 「なに?」 と聞くと 「仁和寺のひとつ前のバス停あたりに、京福電鉄の小さい駅があったじゃないですか。あそこに行って写真撮りたいんッス」 だって。あー、そういえばあったねぇ。道路脇に、とっても小さい駅。 「良いよー。バス停ひとつ分、歩こう」 と言ってテクテク坂道を下る。


京福電気鉄道北野線 「御室仁和寺」 駅。
ちっちゃくって可愛らしい駅だね。東京だと、東急世田谷線沿線の小さい駅みたいだ。何だか、駅の雰囲気も似ているなぁ。どちらも建物を縫うように走っているもんね。ちょうど、レトロな感じの変わった車両が入って来た。いつもの緑っぽい車両とは全く違うぞ!私まで鉄道鉄子になったみたいに、写真を撮ってしまった。

駅の真ん前は道路なので、踏み切りがある。レトロ電車と踏み切り、いいっしょ!やばっ、鉄子ちゃんみたいにはしゃいじゃった!うぅっ。


いろいろあったけど、やっと京都駅に戻ってきた。あーあ、とうとう帰らないといけないのかぁ。

京都タワーからの帰りのご挨拶なのかお土産なのか、朝は曇って真っ白だった空が少し開け、青空が見えてきた。やっぱり京都での最初と最後は、京都タワーにご挨拶しないとね。今年もありがとねー、京都。またいろんな新しい発見があったよ。音博も凄く楽しかったぁ。いつもの年より暑くてヘロヘロだけど、遊び疲れっていうのは気持ちがいいね。また来年、遊びにくるね、と心の中でご挨拶。
そして駅の中へ。駅の売店伊勢丹の中でお買い物。三連休の最終日ということで、伊勢丹地下のお菓子やお土産売り場は、人をかき分けて前に進まないといけないような状態。うへぇ!
粉末昆布だし、生麩、お揚げさん、黒七味、抹茶だんご、伊勢丹限定の栗入りのつばらつばら等、ふたりで買い込む買い込む。もう限界ッス!


初めて京都音楽博覧会が開催された4年前、友達Mちゃんが帰りの新幹線で、これを私にくれて一緒に食べた。その美味しかったこと!伊勢丹の地下で売っている、宇治は中村藤吉商店の 「生茶ゼリイ」 。抹茶のゼリーのぷるぷるの硬さが絶妙なんだよねー。中に入っている餡の甘さも抜群だし、最高!京都の思い出を語りながら帰りの新幹線で食べるのがイイんだよねー。今回は食べた後にすぐ、疲れて寝ちゃったんだけどね。

別々に駅弁を買った私たち。車内でお弁当を見て、ふたりで笑った。だってー、ふたりとも去年の帰りと同じお弁当なんだもん!ギャハハ!

ひと足先に品川駅で降りた私。鉄子ちゃんは東京駅まで行ってから乗り換え。出発の時の妙なハイテンションは真逆で、ヘロヘロで力ないふたり。でもそれぞれ、楽しかったいろんなことが頭に浮かんでいる。
「じゃぁ明日、会社でねー」 と言って別れた。そう、明日は出勤日。仕事が溜まっているだろうから、がんばらねばっ!鉄子ちゃんは明日一日出勤したら、翌日からまた三連休だってよ。何だとぉー!!!



仁和寺   世界遺産。遺産の意味、価値、その存在について改めて知ることができる場所です。
京都駅ビル   とっても広い京都駅。行く前にチェックして行った方が良いかもしれません。
JR京都伊勢丹   地下のお土産売り場もいいですが、もうひとつ下のフロアーのスーパーもおススメです。
中村藤吉商店   何と、生茶ゼリーはオンラインショップで購入することができますよー!