山田せんべい

私よりも長々と夏休みと称し、子供を連れて田舎に帰っていた仲良しの従妹。東京に帰ってくる頃、私にメールをくれた。 「そろそろ東京に戻ろうかと思うけど、何か田舎のもので送って欲しいモノある?」 と。私は即答で 「 『山田せんべい』 がいいなー。ナマの方ね」 と返信した。暫くして、従妹からクールの宅配で2種類の郷土菓子、山田せんべいが届いた。わーい!わーい!



私たちの田舎、宮古市から少し南にある町が岩手県下閉伊郡山田町。宮古市と同じ、海の町だ。そこで昔から作られているのが 「山田せんべい」 。私が小さい頃からあるもんねー。田舎では、知らない人は居ない超メジャー級の半生せんべいだ。
写真左の白っぽいほうが 「太田幸商店」 の、右の黒い方が 「麹屋」 の山田せんべいだ。この2店、住所は途中まで一緒で太田幸商店が6丁目、麹屋が7丁目というご近所さん。山田せんべいの材料は、米の粉(うるち米の粉)、砂糖、ごま、食塩。それだけ。太田幸商店の方は醤油が入っているそうだが、他は同じ。そうそう、太田幸商店でも普通の黒いせんべいは売っている。白なんて見たことがなかったから、従妹が面白がって選んでくれたようだ。


じゃーん!これがその、山田せんべい。半生タイプね。実は、これを焼いてパリパリのおせんべい状態で売っているのもあるのだが、私は半生の方が大好き!大きさは白い太田幸商店の方が直径13.5cm、麹屋の方が15.5cm。ま、どちらも大きいってことね。
私が小さい頃は、麹屋さんの山田せんべいしかなかった。真っ黒くて、薄くペラペラで、手で千切って食べないと食べづらい。見た目同様、食べてもゴムのようだ。でも、もっちりの生地を噛めば噛むほど、ごまの風味がどんどん出てきて、甘くて、歯応えがクセになって、本当にたまらん!


ズームすると、そのゴムっぷり、いやいやゴマっぷりが分かるかな?ごまの含有量がもの凄い。こりゃぁ、香るよねー。見れば見るほど、ゴムだ。ただ、暑さは1mmもないので、食感は面白い。材料を薄く延ばし、天日で乾燥させるそうだが、きっとその乾燥具合が大事なんだろう。パリパリではなく、しっとりもちもちだもんね。
太田幸商店の方は、1枚ずつ個別包装されていた。これにはびっくり!昔はそのまま重ねてあったので軽くくっついていて、それをメリメリと剥がすのが楽しかった。そのくっついていた麹屋さんの方も、1枚ずつ間にフィルムが挟んであり、くっつかない工夫がされていた。ほほぉ、進化してるんだねぇ。


これが、網に載せて焼いたパリパリのバージョン。最初から焼いて売っている山田せんべいは、もっとプクーっと膨らんでいて、厚みがある。家で半生タイプを焼くと、こんな感じになる。もともと薄いので、焼いて少し冷ますと、パリッパリになる。これがまた、ごまの香りが更に増して美味しい!甘さも、半生の時とはまた違う甘さになる。薄いパリパリの山田せんべいも美味しいねぇ。
噛めば噛むほど風味が増してくる半生せんべい、香りが高いパリパリの焼せんべい、どちらも私には懐かしい素朴な田舎の味。
パッケージは進化しても、味はずっとそのままであって欲しいなぁ。。。


●山田せんべい   焼いた画像はこちら。盛岡のカワトクデパート通販で買えるみたいです。