分からなかったら聞いてみよう


今朝も通勤途中、知らない女性から道を聞かれた。
いつものように出勤時間より30分ほど早く会社の最寄駅に着き、サンマルクカフェで安いコーヒーを飲んでのんびりし、お店を出て信号待ちをしていた。すると、知らない女性がある本屋さんの場所を聞いてきた。 「いま来た道を戻って、左に真っ直ぐ行くと左手にありますよ」 と伝えると 「そうですか、ありがとうございます」 と言って、教えた方とは違う方向に向かって歩き出した。 「あっ!」 と声を出したところ 「こっちを行って右に曲がっても着きますよね」 と言われた。まぁ、そうね。
よくいる、地図を回転させて見るような方向感覚ダメダメちゃんではなく、頭で道を組み立てられるしっかりちゃんだったようだ。彼女はもう一度、 「ありがとうございます」 とにっこりして、自分で決めたルートを進んでいった。お姉さんのその背中、何だかたくましかったわぁ。


以前、道を聞かれることについて書いたことがあるが、私はよく、知らない人に道を聞かれる。誰も、おっかない顔で不機嫌そうな人には道など聞かないだろうから、これは良いことなんだ!と思うことにした。何人か信号待ちをしている中で、 「この人なら教えてくれそう」 と選んでくれたんだからね。もう長年の仕事のせいで、顔が不動産屋っぽくなっているのかな。うへぇ!それなら嫌だなぁ。でもまぁ、お礼を言われて気持ちの良い朝のスタートだった。こちらこそ、道を聞いてくれてありがとう。


分からないことがあるとき、自分で調べる人と、他人に聞く人がいる。私は基本的に前者だが、街なかで 「おや?」 と思うことがあると、知らない人でも声を掛けて聞いてしまう。お店でも、わりとよく店員さんに聞く方だ。 「これ、どうやって使うんですか?」 「これ、どうやって調理したら美味しいんですか?」 「これ、別の色はありますか?」 など、知らないでいる気持ち悪さより、その場でスッキリさせてしまいたいタイプなのだ。


23日の夜、よく使う地下鉄の駅のホームで、 「おや?」 と思うことがあった。何だかいつもと景色が違う。上り電車のホーム側だけ、ホームドアが設置されていたのだ。あれ?金曜日はなかったよね?土日は駅を使わなかったから、その間に出来たのかな。すごく立派なホームドアが、車両のドアの数だけズラーッと並んでいる。いつ工事をやったんだ?
すると、珍しくホームに駅員さんがいた。祭日の夜なので、ホームには人がまばら。電車もあと5分ぐらい来ない。そうだ、駅員さんに聞いてみよう!

私) これ、いつの間に出来たんですか?
駅) えーっとね、土日の二晩、深夜に作業したんですよ。こうやって出来ているように見えますけど、まだ電車が来ても、ガードのドアは出てこないんですよ。
私) え、そうなんですか?反対側のホームがまだ出来ていないからですか?
駅) それもあるけど、ここの駅は東京メトロだけじゃなく私鉄2路線も乗り入れているでしょ。これがね、ドアの位置が微妙に違うからコンピューターを微調整するのに時間がかかるんです。電車のドアより先に開いてはいけないし、スピードの微調整もあるんですよ。どんなに万全の準備をしても、稼動するとドアが開かなかったり、何かとトラブルが起こるんですよねぇ。取り急ぎ、装置のみ設置した状態なんです。
私) へーっ、そんなに大変だなんて知らなかったです。コンピューターも、設定するのは人間なんですもんねぇ。
駅) 本格稼動するのは3月ぐらいかもしれませんねぇ。
私) そんなに掛かるんですかー!?そりゃぁ、大変だぁ。でも、完成が楽しみですね。
駅) はい。これで事故が減るといいんですけどね。下りホームも近々、工事が入りますよ。
私) そうですか。ありがとうございました!

とまぁ、こんな感じで私の 「おや?」 は消え去った。世の中にはまだまだ知らないことがたくさんあるんだなぁ。駅員さん、仕事中に親切に答えてくれてありがとう!


他にも、私の 「おや?」 に時々、付き合ってくれる人がいる。よく行く和菓子屋さんの若旦那だ。本当は若旦那かどうかは分からないが、会社の同僚たちもそう呼んでいる。優しい顔に、真っ白い上っぱりと和帽子が似合っていて、とても親切な若旦那だ。その和菓子屋さんは上生菓子の細工が細かくて美しく、とても美味しい。こし餡が最高に美味しくて、仕事の合間によく買いに行っている。

上生菓子は、季節の野菜や風景などを和菓子で表現している。もうすぐ春だなぁ、秋が深くなってきたなぁ、など季節が次の季節に向かう頃は特に、上生菓子が楽しみでたまらない。お店で和菓子を眺めながら、 「これ、何て読むんですか?」 「この層になっている部分は、何を使っているんですか?」 「このおまんじゅうの皮は、何でこんなにモチモチなんですか?」 「この細工は、どうやって作っているんですか?」 と、まるで幼稚園の子供バリに質問攻めだ。
若旦那は嫌がることなく和菓子の種類や名前、それらの材料、作り方など、素人の私に分かるように丁寧に教えてくれる。私が 「こんにちはー!」 と言ってお店に入った瞬間、 「うわっ、またコイツ来た!」 と嫌がっているのかもしれないが、いつもニコニコ顔で教えてくれる。私には、とても有難い和菓子先生だ。


勤労感謝の日に買った和菓子がこの 「柚子まんじゅう」 。たくさんの柚子まんじゅうが並んでいる姿が可愛らしくて、上生菓子を買いにいったのについ、こちらを買ってしまった。
これがまた、めっちゃ美味しかった。個別包装のフィルムを剥がした瞬間、もの凄い柚子の香りがふわーっと広がる。人工的な香りではなく、柚子の皮を削った時と同じ香りがするのだ。これには本当に驚いたなぁ。中には、ご自慢のこし餡。柚子の香りと、控え目だけど上品な甘さを感じるこし餡は最高!甘いモノは食べられない、という男性でも問題なく且つ美味しく頂ける。見た目のキュートさと、味の大人っぽさのギャップにただただ驚いた。
この日は女性の店員さんだったから、次に若旦那に会ったら絶対に 「柚子まんじゅう、美味しかったです!」 って言おう。きっとまた、どうやったら柚子の香りがあんなにだせるのか、教えてくれるんだろうな。うふふ。




・・・今日の重量【前回比+0.2kg、基準日比−3.6kg】 ← 若旦那とダイエットのどちらを選ぶ!?