好き好き!藤稔さん

「好きな音楽 (アーティスト) は?」 と聞かれるのがとても苦手だ。以前、友人と集まったときに 「好きなバンドや音楽を聞かれるのは、体重を聞かれるよりも恥ずかしい!」 と言ったところ、 「えーっ!?何、それ!」 と笑われたことがある。ただひとり、自分と音楽の趣味がとても似ている男のコだけが 「あー、それ、俺も分ります」 って言ってくれたけど。
音楽や本や映画は、その人の気持ちの奥の奥の大事な部分だから、それを他人に話すなんて、ましてや 「これ、いいよー」 なんて勧めることなんて、私にはとても恥ずかしくてできない。


ただこれが、好きな食べ物となると別。 「これ、美味しいよー」 と周りに勧めたり、 「これ、大好きなんだ!」 と話すことはしょっちゅう。味覚は人によって全く違うものだが、食は生きていくのに必要不可欠なもの。同じケーキを食べるなら、より美味しいと感じるケーキの方を食べたいもん。女性は食べることが好きな人が多いもんね。
大好きな食べ物はたくさんある。煮豆、和菓子、玉子焼き、いちじくパン、グリーンカレー、サバの塩焼き、オニオングラタンスープ、ナッツ類など等、書き切れない。果物の中で好きなのは桃とブドウ。ブドウのなかでもいちばん好きなのは藤稔。


10年ほど前、うちの実家は、海側の町から内陸の町に引っ越した。引っ越し先の町は、リンゴ、ブドウ、ラ・フランスなど果物をたくさん作っている町。産地に住んでいる人たちは、その果物を品種で呼ぶ。 「リンゴ」 というよりも 「ジョナゴールド」 とか 「サンふじ」 などと呼ぶ。
うちの家族も、いつの間にかそうなっていた。引越し先の町で暮らしたことがない私。帰省する度、家族の会話を聞いて、それを感じるようになった。おかげで私も、リンゴとブドウの品種は少しだけど違いが分るようになった。
そんな私が大好きなブドウが 「藤稔 (ふじみのり) 」 。いろんな種類のブドウを食べてみて、いちばん気に入ったのが藤稔だった。初めて食べた時、 「これ、ふじみの 『る』 っていうの?美味しいね!」 と間違えて家族に笑われてしまい、それから我が家では藤稔のことを 「ふじみのるさん」 と呼んでいる。たはは。。。

 
それから実家ではもちろん、友達との会話の中でも 「藤稔っていうブドウが美味しいんだよー!」 と話していたところ、夏の終わり頃になると、家族や友人から藤稔が送られてくるようになった。
今年も、自宅療養中に調布のおじちゃんから今年最初の藤稔が届いた。東京だって、ブドウを作っているんだもんね。そして今日、岩手のお兄ちゃんからもブドウが届いた。

袋を開けていないから分かりづらいけど、正しくこれは藤稔。他に緑と赤のブドウがひと房ずつ。赤いのは紅伊豆かなぁ。冷蔵庫にはまだ、調布のおじちゃんの藤稔がふた房あるから、藤稔だけで5房!
ひゃー、旬のものは一気に頂くからねぇ。去年は5箱の藤稔が送られてきた。好き、好き!ってアピールしたわけじゃないんだけど・・・。こうやって、好きなものを覚えていてくれて送ってくれるなんて、本当に有難いなぁ。
先週の土曜日は会社にも持っていって、女子で分けて食べてもらい、大好評だった。これでまた、藤稔の輪が広がったかな!?