今年のキラキラ

仕事が終わってからよく一緒に帰る隣駅に住んでいる同僚は、北海道出身。私自身も札幌に住んでいたこともあり、同じ北国出身。彼女と職場のことや田舎のことを話しながら帰ると、いつもの帰り道が短く感じられる。


先週の木曜日、いつもの一緒の帰り道で、 「次の日曜日、出勤?」 と聞かれた。 「うん、日曜日だけど出勤だよ」 と言うと 「じゃぁ、今年も恒例のアレ、持って来るね。土曜日に田舎から届くんだ」 と。ピン!ときた私は 「わーい、ありがとう!」 と、まだ頂いていないソレのお礼を言った。



ソレがコレ。今年のイクラ
私が育った田舎も、鮭がいっぱい獲れる土地。小さい頃から鮭もお腹のイクラもたくさん食べて育った。赤いキラキラのイクラ。特に醤油漬けは家庭ごとに味付けが違って、その味比べも楽しいんだよねぇ。
同僚の実家では、イクラの醤油漬けを作るのはお父さんの役目だそうで、毎年必ず、早々に送ってくれる。しかし何と、彼女は魚卵が苦手なのだ。お父さんが張り切って送ってくれるのに要らないと言えない彼女は、いつも私にお父さんのイクラをくれるのだ。ひとり暮らしには、たっぷりすぎる量だよ。

「今年は鮭があまり獲れなくてお父ちゃんも心配してたけど、手に入ったって喜んで送ってきたよ」 と彼女。確かに、うちの田舎でも今年はあまり鮭が上がってこないという。貴重なイクラだね。
うちの田舎では、イクラのことを 『はらっこ』 と呼ぶ。腹の子、だからだろうね。冬の朝ご飯の定番、はらっこ。食卓にはらっこがあるのは当たり前で、これが高級品だなんて知ったのは、東京に出てきてからだったなぁ。
さ、今年は自分ちのはらっこより、先に彼女のお父さんのはらっこをいただくことになったね。楽しみ、楽しみ。



ホカホカの白いご飯に、はらっこを載せたどんぶり。はらっこは、たっぷりと。贅沢だぁ!お父ちゃんの今年のはらっこ、いっただっきまーす!
うん、美味しい!うちのはらっこより味は薄めで、たくさん食べちゃいそう。皮も柔らかく、とっても上手にできているよ、お父ちゃん。自然と顔がニヤニヤしちゃう。お父ちゃん、ごちそうさまでした!


今年のお正月も、はらっこの入った甘めの紅白なますをたっぷり食べるんだ。あ、その前に、年越しそばの上にもはらっこだ。楽しみ、楽しみ。