秋のうた


今日やっと、手にすることができた。一昨日、ポストに入っていた宅配の不在連絡票を見付けてから、 「明後日には食べられる!」 「明日には食べられる!」 とワクワク。そしてやっと今日、届いたよー!
無農薬有機天日干し米 『秋のうた』 。ときどきお邪魔している日記 『やんちゃくれ農業』 のemerarudさん一家が、愛情たっぷりに育てた、自慢の作品だ。
箱を開け、お手紙をゆっくり読み、もう一度、袋を眺めた。思わず、パン!パン!とかしわ手を打ち、そのままお米に向かって頭を下げた。emerarudさん一家への敬意を込めて。


学校給食を食べる前、給食当番の号令に続いて 「いたーだきーますっ!」 と唱和するのは、当たり前のことだった。お米やお野菜を育ててくれた農家の方々に感謝して、と習ったが、今の学校ではこれに反対する親がいるらしい。 「ちゃんとお金を払って食べているんだから、感謝する必要なんてない」 という、とんでもない理由からだそうだ。アホかっ!作ってくれた人の顔が見えなくたって、ちゃんと感謝する心を育てなくてどうする!
秋のうたは、育てているemerarudさんのお米と向き合う姿をずっと日記で見ていたので、自然にパン!パン!ってやっちゃったんだね、私。土地に恵まれ、人に恵まれ、たくさん苦労しながら育ててきたんだもん。嫌なヤツもいてヒヤヒヤしたけど、それでもemerarudさん一家を救ってくれたのは 「人」 だったよね。
emerarudさんの日記は、教科書みたいだ。学校で配布されるそれとは違う、生きていく上での教科書。経験をしたからこそ、の言葉は重くて厚い。そして、熱い!



袋を開けると、ご主人が入れてくれた備長炭が見えた。この1本に、emerarudさん一家の愛が表れている。嬉しくて思わず、うふふっ!と笑ってしまった。
炊き上がるまでに蒸気の香りを嗅ぎに何度、台所へ行ったことか。やっと蒸らし終わり、いよいよ口へ放り込む。米粒が感じられなくなるまでずっと噛み続け、口から出た言葉は 「何だ、コリャ!」 。
美味しい、という言葉しか持ち合わせていないのが残念で仕方がない。凄く美味しい、超美味しい、もの凄く美味しい、どれもしっくり来ないね。上品な弾力と、濃い甘さ、噛めばかむほど香りが口いっぱいに広がる。
うん、ウマイ!


驚いたのは、冷めてからの美味しさ。いつもお米を炊くときに備長炭を入れるのは、冷めた時にも美味しく食べられるようにするためだが、emerarudさん一家の秋のうたは、備長炭を入れずに炊いたのに冷めてからの弾力と甘みがもの凄い!きっと、レンジでチンするよりも、冷めたまま食べた方が美味しいんじゃないかな。朝、おにぎりにしてお昼に食べても、美味しく食べられるね。
うん、イイ!


きっと、今年のお米を口にした人みんなが、 「美味しい!」 の大合唱だね。それは正に、秋のうた。自然の恵みに感謝するうた、emerarudさん一家へのお疲れさまのうた、それを口にできることへのアリガトウのうた。
大地から生まれた秋のうたに、ただただ感謝!