メッセージ

ここ数日で、グッと秋が深まった。朝は上着を着ないと寒い。が、狭い部屋で生活している私は、冬物コートは実家に送ったままで、まだ手元に戻してもらっていないため、昨シーズンに実家に送り忘れた簡単な羽織ものだけで何とか過ごしている。
さすがに厳しくなってきたなぁ、と思ってお母さんに電話を掛けたのは先週の金曜日。 「カーキ色のジャンバーだけ、とりあえず送ってくれない?紙袋に入れて、それだけ送ってくれればいいから」 と。お母さんは 「何でもっと早ぐ言わねぇのぉ。クリーニングさ出したぁのんに」 と言っていたが 「そのままでいいから、ね」 とお願い。 「何ぃ食べてぇや。一緒に入れでけっから」 とも言われたが、 「大丈夫、食べ物はあるから。とにかくジャンバーだけ入れて送って」 と言った。


で今日、届いた宅配便は、いつものような大きいダンボール箱。あー、紙袋にジャンバーだけで良いって言ったのに。


開けてみると、確かにジャンバーは入っていた。風呂敷に包まれ、更にビニール袋に入って。あれ、この袋、田舎の地域指定ゴミ袋だ。うふふ。その他は全部、食料。いつものように、大好きな甘いお赤飯、野菜が少しずついろんな種類、東北限定の箱菓子、タッパーに入った煮物や揚げ物、ドレッシングやほんだし、果物などなど。お手紙には 「家にあったものをとにかく入れたから、ちゃんと食べなさいよ」 というようなことが便箋2枚にびっしり書いてあった。
食料はそれぞれ、これまたいつものように新聞紙にひとつずつ包まれていた。その新聞紙だけで、うちのゴミ袋がいっぱいになるんだよね。何日分の岩手日報なんだろう。うふふ。



今回の昆布の煮物は、前回のようにグダグダに柔らかくなく、上手に出来ていたよ。
甘くて美味しい!やっぱり、お母さんのがいちばん美味しいなぁ。
次に田舎に帰ったら、作り方を教えてもらわなくちゃ。きっと 「ごま油の量なんて、適当、適当!」 って言うんだろうけど。


近所の温泉の売店にあったから、と入れてくれたのは、お馴染みの永谷園のお茶漬け。
でもコレ、東北限定バージョンだね。牛タンとホタテ味かぁ。楽しみ、楽しみ!
いつも 「日持ちがするものがイイな」 って言うから選んだんだろうなぁ。助かるわ。


どの包みにも太マジックで書いてあるメッセージ。これが結構、面白いんだよね。卵のときに描いてあったヒヨコらしき絵を思い出すねぇ。
リポDの箱に書いてあったのは 「コッペパン2ヶ、リポビタン4本入ってるからね」 。開けて見ると、底に倒したリポDが4本、その上に細長い菓子パンが2個入っていた。どこでも買える菓子パンなんだけど、箱にきっちり収まっていて、笑ってしまった。


「チクワ 何もないときいいっけよ」 。
これも笑った!何もないとき、そのままちくわを口に放り込む自分を想像して。だからぁ、ちくわなんて、こっちでも売ってるってば。
でも、冷蔵庫を覗いて 「何か、入れてやるものないかなぁ」 なんて探しているお母さんを想像すると、これまた笑っちゃう。


こちらのタッパーには、焼いたサンマが入っていた。私が育ったのは、サンマがたくさん獲れる海の町。秋といえば毎日、毎日、サンマを食べる。 「生のサンマぁ、かせてぇがぁ (食べさせたいよ) 」 といつも電話で言うお母さん。何が何でも食べさせたかったらしい。 「ジャンバーにニオイがつぐべぇが」 とお父さんの反対にあったらしいが、強行に入れたそうだ。
これ、写真が手ブレしているんじゃないよ。油を吸う紙、リードをちぎって、それに書いたみたい。ニオイがつかないようにと入れてくれたビニール袋には、上手く文字が書けないもんね。キョロキョロ見渡したらそこに、リードがあったんだろうなぁ。可笑しい!しかも 「30〜50秒」 って、幅がありすぎ!声を出して笑ってしまった。

 

着いたよー!の電話をすると、 「家に何もなくて・・・もっと早く言えばいいのに」 と言われたけど、こんなにたくさん送ってくれて、感謝、感謝だよ。
電話では、入れてくれたひとつひとつについての説明を、長々と聞くことに。甘いお赤飯は、1回目は失敗し、2回作ったそうだ。パンは安売りしていたから、ミカンは丁度いただいたところだったから、ごま塩はお父さんに 「赤飯にはごま塩がないと、うんまぐねぇべ」 と言われたから、など延々と説明は続いた。
お父さんとふたり、賑やかに荷作りしたんだね。いつもいつも、ありがとう!今日からはしっかりご飯を食べられるよ。残りのコートも、あとでお願いするね。いつまでも手の掛かる娘でごめんね。感謝してます!