三連休・・・盛岡でも息抜きの三日目

あっという間の三連休。もう最終日なんてねぇ。深夜バスで帰ってきたので、目一杯、時間を使ってのんびりした贅沢な休日。
今日もおばちゃんと朝ご飯を食べ、背のちっちゃいおばちゃんの代わりに神棚にあげたご飯を下げ、仏壇のおじいちゃんとおばあちゃん、おじちゃんに 「またね」 のお線香をあげ、宮古駅へ。運転手はもちろん、おばちゃん。
おばちゃんってば、けっこうギリギリな時間なのに 「美味しいパン屋さんがでぎだがら、店が開いでっか見でみっぺ。Lちゃんにも、かせてぇ (食わせたい) ものぉ」 と遠回り。結果、パン屋さんは閉まっていて、買えずにそのまま駅へ。うわー、あと少しで発車時刻だよぉ!おばちゃん、本当にありがとうね。まだ遊びさ来っからねー!



JR山田線 9時31分発の快速リアスで盛岡へ。
宮古から盛岡へはバスの方が本数が多く便利だけど、たまには汽車もいいよね。ボックス席に、知らない女性と向かい合って座った。本を読んだり、雪景色を眺めたり、うとうとしたり、メールを送ったり。
そのメール相手のひとり、お母さん。今回は実家に寄らないことにしていたので、これから東京に戻るという連絡メールを送った。すると、お母さんから返信。 「うちには寄らないんだよね?盛岡ではどこかに行くの?お母さん、見送りに行こうかな」 だって。盛岡では3時間ぐらい余裕があるので、紺屋町界隈でも歩こうかな、と思っていたが、 「じゃぁ、盛岡でお昼ご飯でも食べようか」 とメール。


JR東北本線盛岡駅に到着したお母さん。盛岡駅が苦手なお母さん。改札を出た瞬間からキョロキョロしているので、すぐに分かったよ。お正月に会ったばかりだけど 「久し振りぃ!」 と肩をたたくと、ホッとして顔がニコッとなっていた。子供みたいだ。
「厚い帽子ぃかぶって、こんな格好で、おがしぃべ」 と聞かれる。お母さんはいつも、人の目を気にする。 「おがしぐねぇよ。寒ぃがら、温がぐすんのが一番」 と返す。誰も他の人の服装なんて見ていないのになぁ。心配性も困ったもんだ。
今日は冷麺かそばが食べたいなぁ。どちらでもOKというお母さんに 「じゃ、盛楼閣の冷麺にしよう!」 と駅の外へ出た。


昼間からビール。しかも、遠野産ホップを使ったキリン一番しぼり。ふっふっふ、贅沢、贅沢!
そしてお店はなぜか・・・ぴょんぴょん舎。盛楼閣に行ったところ、お昼時間だからか、三連休の観光客なのか、行列がすごかったので諦めたのだ。あー、太麺の冷麺はお預けかぁ。残念!
で、広いぴょんぴょん舎へ移動して、このビール。飲みながら、お母さんと近況報告。チビの受験のこと、お兄ちゃん家族の引越し予定のことなどを聞き、私は宮古の様子を話した。何でもない会話だけど、お母さんにはイイ息抜きになったみたい。


焼肉を食べ、やっと出てきた冷麺。寒くても冷麺。やっぱり冷麺。
お母さんはさすがに寒いから、とカルビクッパをオーダー。そしていつものように、私の冷麺の上にカルビの塊を載せ 「もー、いいがら自分で食べでぇ」 と私に言われ、いつものように 「だって、かせてぇ (食わせたい) ものぉ」 と言う。うちはいつもこれで、家族モメする。孫たちにも 「いいよぉ、おばあちゃん。おばあちゃんが食べてぇ」 なんて言われてるもんね。
食べさせたい!という気持ちが有難くもあり、自分でいっぱい食べてもらい気持ちもあり、いつもみんなが心の攻防を繰り返す。気持ちは有難いんだよ、ホント。


「コーヒー頼むが」 と誘うお母さんに 「コーヒーは別のお店で飲もうよ」 と言い、店を出た。
駅前通りの喫茶店 「カプチーノ詩季」 。大きなエスプレッソマシンがあるこのお店は、カウンターとテーブル数席の落ち着いたお店。
以前、安比高原に住んでいた頃は、盛岡に出てくると必ず寄っていた。ひとりでも、友達と来ても必ず寄っていたなぁ。最近は盛岡駅に着いてもすぐに東北本線に乗り換えるから、なかなか寄れなかったもんね。
今日は暖かいから、瓦屋根から雪の塊がドドドーって落ちてくるよ。



ふたりで、カウンターに着いた。うーん、何も変わっていない。写真中央、マスターの後ろにに見える赤が、エスプレッソマシン。マスターが、これを操作するときの無駄のない動きがたまらなく好きだ。お母さんはホット、私はアイスのカプチーノで、おしゃべりの続き。 「お母さんもさ、たまに息抜きで盛岡まで来て、ここでお茶して帰ればいいよ」 と言うと 「そうだねぇ、駅から近いし、暖かくなったらそうすっかな」 。あまり外に出ないおかあさんも、気に入ってくれたようで嬉しいな。アップルパイがとっても美味しそうだったが、お腹がいっぱいで食べられなかった・・・残念!



見送りに来てくれたハズのお母さんを 「気ぃ付けでねぇー!」 と 、なぜか私が東北本線の改札で見送り、私は新幹線の改札を入った。
するとコンコースに、遠野ふるさと村ののぼりと、みず木飾りが。みず木に、白、黄色、桃色のお団子と、手作りの飾り。ひとつひとつ眺めていると、遠野らしい飾りを見付けた。馬と娘、これは 『オシラサマ伝説』 だね。
今回は遠野には行けなかったから、みず木飾りが見られて嬉しかったぁ。



上りの新幹線はラッキーなことに、はやぶさ!カッコいいなぁ。珍しく、通路側ではなく窓際指定で席をとったので、夕方の風景を楽しみながら行くとしますかっ!のんびりのお供は、岩泉のむヨーグルト。濃くって、美味しいんだよねぇ。
これまたラッキーなことに隣の席に座る人は無く、東京までダラダラゆったりと過ごすことができた。他の席はいっぱいなのに、何のご褒美だろうねぇ、なんてニヤニヤしてみたり。はやぶさの窓側には電源コンセントがあるので、携帯電話の電池残量を気にせず使えて快適。位置ゲーをやっている身としては、有難いわぁ。


どの辺りだったかなぁ。本を読んでいたところ、急に手元が明るくなったような気がして顔を上げた。窓の外には、キレイな夕焼け空が広がっていた。
キレイだなぁ、なんてのんびり眺めていたら、陽はどんどん落ち、雲まで出てきた。 「あっ、写真!」 と思った時にはもう、こんな景色になっていた。山の稜線がくっきり浮き上がって、これはこれでアリだったかもね。冬の太陽は有り難いなぁ。
休みの最後に、イイものを見せてもらったわ。


無事、東京駅に到着。またいつもの毎日に戻るんだなぁ。たっぷり充電したんだもん、明日からまた、頑張らないとっ!
そう思って乗り換え電車のホームに立ったところ、山手線のホームに入っていたのは、緑色の車両。50周年記念のみどりの山手線だ!
JRから、この車両に乗って山手線一周をするキャンペーンメールが届いていたが、仕事のある日だったので諦めたんだよね。そっかぁ、まだ走っていたのか。
大荷物を抱えたまま慌ててカメラを取り出して撮ったので、こんな写真になっちゃったけど、これまたラッキーだったなぁ。うふふ。

「ココに行きました!」 とか 「コレを見ました!」 とかいう旅ではなく、何となく過ごした三日間。盛りだくさんの観光旅行も楽しいけれど、こういうのもアリだよねぇ。こういうのが贅沢なのかもしれないねぇ。