丁寧な仕事


昨日の浅草散策で、夕方からお邪魔したお店 『浅草茶寮 Kuwasaru』 。同じ高校出身の店主が数ヵ月前にオープンした創作和食のお味だ。
Kuwasaru (食さる)、とは田舎の言葉で 「食わずにはいられない」 とか 「ついつい、食べてしまう」 いう意味だね。「美味しいものだぁど、腹がいっぺぇでも、食さるもんねぇ」 ってな使い方をする。押ささる、笑さる、飲まさる等々、いろんな動詞 + 「さる」で活用されている。
今回は、うんめぇものをいっぺぇ食ったぁすけぇ、いっぺぇ書がさるー!


お料理は全て、お任せにした。
最初にいただいたのは、百合根のビシソワーズ。ビシソワーズ!?和食屋さんで!?


いろんなお店で働いてきた店主は、和食、洋食、中華、何でもできるから、創作センスも長けている。滑らかでトロトロ。上に素揚げをした百合根が浮かんでいたのもオシャレだなぁ。


下の白いのは、カリフラワーの白和え。白和えにカリフラワー!?確かに色は真っ白だけど。。。で、これがまた、ものすごく美味しくて、私より先に口に入れた友人から 「美味しー!」 の声が。まるでクリームチーズのようなコクで、ビックリしたなぁ。
上の緑は、芽キャベツが開いたもの、だったかな?それとも芽キャベツの仲間だったかな?とにかく、その緑とクリームのような白和えがピッタリ合うんだよね。お料理って、面白い!


この盛り合わせが、またねぇ。見た目もキレイだけど、味もそれぞれが凝っていて面白かったんだよねぇ。
左上の白い器から時計回りに、ナマコと生のりの和え物、あん肝、イワシの刺身グレープフルーツのせ、鴨肉のトマト煮、金柑の甘煮、とこんな感じだったかな。丁寧に説明してもらったんだけど、美味しい!って食べているうちに、ちゃんとした料理名を忘れちゃった!青魚にレモンが添えられているのはよくあるけれど、グレープフルーツっていうのが面白い。レモンのように刺すような酸味じゃないので、イワシの風味もきちんと残るね。これはイイ!店主オリジナルの刺身醤油がまた、合うんだよねぇ。


出たっ!焼き牡蛎と焼きそら豆。貝類が大好きな友人は、ココで大興奮。アチチっ!な牡蠣の殻をそっと外すと、プリンとはじけそうな牡蠣と汁。すぐに食べるのは勿体無い、と殻の蓋を元に戻し、そら豆をむきむき。岩手の白ワイン 「五月長根葡萄園」 をいただきながら、ほくほくそら豆を口に放り込む。うーん!


そしてついに私たちは、牡蠣に箸をっ!店中に響く 「う゛ーん!!!」 の声は、隣の友人。しかも何度も。あ、この時点ではまだ、店内は私たちだけだったので大丈夫。店主もただただ、笑うしかない状態ね。


はまぐりのお吸い物。今回のお料理で、私がいちばんを選ぶなら迷わずコレ、だなぁ。
もうね、幸せの味。幸せの濁り。幸せの温度。あのー、お鍋ごといただけませんでしょうか。そうお願いしたいぐらいの美味しさだったよ。


このぐらいから、 「お持ち帰り」 制度導入について、真面目に検討をし始めた私たち。だってね、どれも美味しくて、持って帰りたい味なんだもの。どうやったらそのサービスが可能か、店主そっちのけで意見を出しあう。おバカねぇ。


塩マグロと、わさび菜。奥に見えるのは生の赤ニンジンと白ニンジン。
塩味が付いているので、そのままいただくマグロ。これは美味いっ!自分で塩を打っても、こんな風に美味しくできるのかなぁ。お醤油でいただくのもいいけれど、塩味もいいねぇ。上手く表現できないが、お刺身っていう感じがしないね。
人参は、赤ニンジンだったかな、金時ニンジンだったかな。とにかく濃い赤と白のニンジン。どちらも甘さが強いんだけど、ふたつの甘さはまた、違うんだよね。オレンジ色の西洋人参のような水っぽい甘さとも違う。いやぁ、これまた面白い!自分でもチャレンジしてみようっと。


そして、店主の手打ちそば。
これを楽しみ来たんだよー!そして、期待を裏切らないねぇ。細めで喉ごしがイイおそばは、これだけ食べて飲んだ後でも、どんどん食べられるね。スルスル、スルスル、面白いように喉を通り過ぎていく。のだ塩があったので、塩でもいただいてみた。あー、うー、もうっ!


ランチタイムには、天丼や親子丼とおそばがセットになったメニューが人気らしい。丼プラスおそば、そりゃぁ人気だよね。次回は昼に来てみようっと。


お店が混んできた頃、私たちは締めのデザートをいただいた。
手前は冷たくした焼き芋、キウィは何とかいう名前のキウィ (忘れちゃった!) 。元の形で見せてもらったが、普通のキウィよりも細長くて大きなキウィなんだね。


奥の器に入っているのは、釜石のお酒 「浜千鳥」 大吟醸を使ったアイスとゼリー。友人はアイスを、私はゼリーを絶賛!ふたりで 「お持ち帰りしたいねぇ」 「やっぱり、お持ち帰り制度が必要だねぇ」 「アイスは難しいねぇ」 と今度は小声で話し合った。



おまけ。発売以来、ずっと気になっていた 「くるみのおさけ」 を飲ませてもらった。Amazonでは一時、売り切れだったもんね。盛岡に行った時は、買えなかったし。


和ぐるみ独特の油分なのか、かなりまったり感があるね。甘そうなイメージだったが、かなりキリッとしている。意外だなぁ。和ぐるみの強さなんだろうねぇ、薄皮部分の風味を感じるよ。粒つぶが沈んでいるから、よく振って飲むのか。リキュールみたいかと思ったら、ガッツリ日本酒なのね。面白い!

店主の丁寧な仕事ぶりが全て、味に反映されたお店。幸せいっぱいの、あったかい夜だったなぁ。また行こう!


くるみのおさけ

くるみのおさけ