ムムムの会

昔々の新入社員だった頃、いろいろとお世話になった先輩たちと旧交を温めるべく浅草に集合!ん十年前、東京から集団でリゾート地に異動になった数十名のなかの四名だ。銀座の街から雪深いリゾート地への異動。いま思い返しても、あれは大変だった。。。
6月6日。「む」 が付く名前の先輩がいることで6が三つ、 「ムムムの会」 とメッセンジャーでグループを作り、たどり着くのが難しい場所にある、この浅草のお店に集合。さすがっ!先輩方。
さぁ、今日は飲むぞ!食べるぞ!語り合うぞー!



最初のお料理は、とうもろこしの摺り流しをビシソワーズ風にした冷たいスープ。真ん中に見えるのは、サイマキエビを葛打ちしたもの。漆器は岩手の浄法寺塗。漆器とガラスって合うんだなぁ。
車海老が、大きさによって呼び名が違うということを初めて知った。サイマキエビ、すごく美味しかったぁ。とうもろこしのスープも、帰りに 「あの美味しさは衝撃だったなぁ」 と言った先輩がいたほどの美味しさ。怒涛の会話が、このスープで一瞬にして止まったもんね。


お椀は、真鯛の白子の摺り流し。ゆず胡椒の風味がイイ。具材は岐阜のアスパラと天草の鱧。時期のものは美味しい。とにかく大きいアスパラのようだが、シャッキリとした歯ごたえが気持ち良い。その時期のものは美味しいね。
私はただのサラリーマンだが、先輩三名は自分で会社をやっている。それぞれ分野は違うものの、 「あ、今度それ紹介して」 「コレとソレを組み合わせたら面白いかもな」 なんて、どんどん輪が広がっていく。面白い、面白い!


どーん!(登場) うおぉぉぉ!(客の叫び)


宮城三陸のウニ、鰹、真鯛の昆布締め。ウニ、殻が見えるかなぁ。。。輪切りの大根の上にウニの殻、わさび菜などの緑の上にウニ。華やかな演出のウニ刺しだ。
これには現場も盛り上がったねぇ…被写体としてもサイコー!甘いウニの合間にわさび菜があると、口の中がリセットされるような気がする。見た目だけじゃないんだなぁ。


焼き魚はスズキ。赤いソースは、フルーツトマトと白ワインのソース。白ワインは岩手の五月長根。スズキの上には岩手の新鮮野菜。


このソースにはビックリしたね。鮮やかな赤、フレッシュながらも柔らかい酸味。さっぱりしたスズキにピッタリ。暑く湿った空気の時期だからこそ、のお料理だね。赤いソース、絶品!


私たちの思い出の酒蔵、わしの尾さんの純米酒 「北窓三友」 を頂いていた私たちの前に、ぴったりなお料理が。
へしこと、酒粕クリームチーズの天ぷら。たまらんねぇ。。。
クリームチーズだけの天ぷらはよくあるが、酒粕と一緒に揚げたことで風味も香りも倍増!この組み合わせは凄い。普通はお塩でいただくのだろうが、今日はお砂糖も!食べ比べてみると、全く違う味になるからビックリ!女性はお砂糖の方がイイっていう人が多いらしい。


「蕎麦がきです」 「わーい、蕎麦がき大好き!」 器を覗いて 「あら、揚がってる!?」


西和賀の蕎麦粉で作った蕎麦がきを揚げたそうだ。上には我が宮古のウニ!わーい。
蕎麦がきのふんわりもっちりが、揚げたことで増し増しになっているね。
私たちが異動になったリゾート地は、岩手の山奥。山の麓は蕎麦の産地だったんだよねぇ。懐かしいなぁ。


今日の午後まで新潟に出張していた先輩が、地元でしか手に入らないお酒を持ってきてくれた。新潟県は阿賀町、地元限定酒 「はでっぱの香」 。
「さぁ、問題! 『はでっぱ』 とはどういう意味でしょう」 
ここから、あーでもない、こーでもないとひとしきりガヤガヤ。四人だけど十人分ぐらいガヤガヤ。なるほどねぇ、という答えを聞きながらいただくお酒。スッキリして、いくらでもグビグビいってしまいそうなお酒だね。阿賀町でしか買えない貴重なお酒、ありがとうございます!


爽やか!涼しげ!キラキラしてる!他にはどんな声が上がったっけなぁ。とにかく見た瞬間に涼しくなるようなお料理、鱧とじゅんさいの土佐酢和え。きゅうりは岩手産。
最初のひとくち…なんて爽やかなんだっ!
このじゅんさい、特別に仕入れた超上質のじゅんさいだそうで、日本一の産地、秋田に住んでいたことがある先輩も 「うん、イイじゅんさいだ!」 と絶賛。ちゅるちゅるのじゅんさい、コリコリのきゅうり、しっとりの鱧、楽しいねぇ。


長崎は対馬穴子。手前は生麩。穴子の下には練り物があるんだけど、見えないねぇ。
この穴子は、築地の穴子だけを専門に扱っているお店から仕入れているそうで、とにかくこんな穴子は食べたことがない!ってほどの身の密度もふっくら具合も最高の穴子だった。上手く表現できないけど、舌に当たらないんだよねぇ。
実は、隠れている練り物が今日イチの美味しさだった。思わず 「んー!!!」 っとお隣に座っていた先輩の肩をバンバン連打してしまうほど。次回、詳しく聞いてみよう。


お楽しみのお蕎麦。今日は藪川。あー、美味しい。。。
今日は、お隣の先輩が半分くれた。いつも誰かが半分くれるということは、私の顔に 「もっと食べたい」 と書いてあるのか、 「いくらでも食べられる」 と言ってしまうのがいけないのか、何なのか。
だって本当に美味しいんだもの。美味しいと同時に、 「あー、会も終わるんだ」 と寂しくもなる。


「最後、何かお酒飲みますか」 と店主に声を掛けられ、 「そうだね、もう1杯欲しいね」 ということで、浜千鳥をいただくことにした。


グラスは秀衡塗りの漆絵ワイングラス。グラスの底に、漆で桜が描かれている。素敵だねぇ。このグラスで日本酒をいただくなんて、オシャレすぎる!岩手に縁のある私たちだからこそ、その価値が分かる組み合わせなのかもしれないね。


お店を貸切にしてもらい、思い出話に、近況報告に喋りに喋った4時間。あっという間だったなぁ。
最後は、群馬のさくらんぼナポレオンと九戸の甘茶ゼリーで、サッパリすっきりとした締め。


お店を後にし、浅草寺を通り抜け、浅草駅へ。途中、ライトアップされた浅草寺スカイツリーの写真を撮ったり、おしゃべりしたり、大人の修学旅行みたいで楽しかったぁ。イイ先輩に囲まれていたんだなぁ、と改めて感謝でいっぱい。また集いましょう!