干菓子のある幸せ

田舎で買ってきた大量のお土産の中でも、いちばん好きなお菓子 『東雲 (しののめ)』 。岩手は沼宮内 「菓子司 丸中」 さんの干菓子だ。
材料は米粉、上白糖、小麦粉、澱粉、くるみ、ごま。硬すぎず、柔らかすぎず、程好いしっとりとした歯応え。くるみとごまの絶妙なバランス。噛めば噛むほど材料の良さが口の中に広がる、その味わい。とにかくシンプルで、それでいて上品で、とても贅沢なお菓子。
本当は、とある人へのお土産に買ってきたのだが、箱を見ているだけで味が思い出され、どうしても食べたくなり・・・開けてしまった。子供かっ!
でも、それほど大好きなお菓子なんだもん。お土産用は早々にお取り寄せで補充をすることにし、東雲を楽しむことにした。



まず、何がイイって、この包装紙!
葉のデザインは、栗かなぁ。くるみの葉にしては細長すぎる気がするね。
とにかくこのデザインが、たまらくステキだ。ステキすぎて、同僚に見せびらかしたことがある。それほどお気に入りなのだ。
写真だと分かりづらいが、箱の淡い色使いもイイんだなぁ。


包装紙や箱は、お菓子をいただいた時の楽しみのひとつ。大事だもんね。



そしてこれが銘菓 『東雲』 。
商品説明には、 「くるみはさわやかな明け方の空に浮かぶ雲を、胡麻はねぐらを立って飛び交う小鳥の群姿を表しております」 とある。明け方の空かぁ。真っ白な生地が、雪で真っ白になった大地にも見えるね。
両端を持って割ってみると、パキン!とではなく、メリメリっとゆっくり、しっとり割れる。口に入れる。ねっとりとした歯応えで、噛んでいくと、くるみやごまはもちろん、素材の香りがどんどん上がってくる。不思議なお菓子だなぁ、というのが最初に口にしたときの印象だった。ゆっくり噛んでこそ、の干菓子。
あー、幸せ。