声帯ポリープ

昨日、大学病院で、声帯ポリープの定期検査をしてきた。
声帯ポリープがあると分かったのは3年ぐらい前だったかなぁ。風邪を引いて3日間ほど咳が止まらず、夜も咳のために眠れないほど辛かった。やたらのどが痛くって。会社でもゲホゲホしていたところ、同僚たちに　「駅前の耳鼻科に行ってくれば？」　と言われた。そりゃそうだ、こんなにゲホゲホやられていたら、周りも迷惑だ。

仕事を中抜けし、耳鼻科に行った。以前もお世話になったことのある耳鼻科。ベテランのおじいちゃんドクターで、すごく信頼できるドクターだ。咳が止まらない、と言うと　「じゃ、ちょっとのどを調べようか」　と言った。　「荒れが酷くて真っ赤だよ」　と驚いたドクター、　「もうちょっと調べさせてね」　と細長いチューブをのどへ。チューブの先にはカメラが付いている。そしてドクター、　「あぁ・・・荒れも酷いけど、もっと凄いものが見付かったよ」　だって。待合室で待機するように言われドキドキしながら待っていると、再び診察室に呼ばれた。
そして言われたのが　「声帯ポリープ」　だった。　「いっぱいカラオケしたり、いっぱい喋ったりした？」　と聞かれたが、そんな覚えは全くない。芸能人や噺家じゃあるまいし。　「声が出づらいと思ったことは？」　と聞かれたが、風邪のせいだと思っていた。ポリープって、咳を3日間続けただけで出るようなものなのか？でも、考えられる原因はそれしかない。
とにかくおじいちゃんドクターにはいっぱい怖いことばかり言われた。　「紹介状を書くから、大きい病院で診てもらってね。もう取らないと行けないだろうから早目に行ってね」　と。突然のことにびっくりして、咳も止まってしまったよ。あ、それは耳鼻科の吸入器でシューシューしたからか。

とにかく紹介状を持って、他の科にかかっている大学病院に行った。
その大学病院の耳鼻科は殆どが女医さん。私と同じか、少し年下かな。笑うと目がお山みたいな逆Ｕ字になる美人さんだ。その女医さん、私の声帯ポリープをカメラで確認すると　「それほど心配することはないですよー」　と言う。　「すぐ取らなくてもいいし、経過観察でいいですよー」　って。おじいちゃんドクターは明日にでも取らないと！っていう勢いだったので拍子抜けした。

それからたぶん3年ぐらい。仕事をしていて夕方になると、声がかすれる。喋り過ぎた翌日は声がかすれるので、　「風邪引いた？」　と周りの人たちに聞かれる。　「なるべく、喋ったり大声を出すのは控えて」　と言われているが、普通の生活をしていたらそれは無理。あ、カラオケのある飲み会の時に　「ポリープがあるので歌は禁止なんですよ」　と断ることができるから、それだけはラッキーかな。
私のポリーちゃん、最初は片側だけだったのが両側に出来たり、少し小さくなったり、逆に大きくなったり、いろいろな変化を繰り返してきた。最初の数ヶ月は投薬もあったが、あまり変化がなかったので　「効果が無いなら薬を飲みたくない！」　と拒否。女医さんも　「飲んでも変わらないから飲まなくてもいいですよー」　とOKしてくれた。

1〜2ヶ月に1度、病院で鼻からカメラを入れて、ポリちゃんの様子を観察＆写真撮影して記録。大きくなったとか小さくなったとか言われて診察終了。それを繰り返すことを　「面倒だなぁ」　と思っていた。
昨日の診察で、女医さんに　「そろそろ取ってもいいかもね」　と言われた。私は　「へっ！？」　と言った。予想外の言葉だったから。
以前から、声帯ポリープの手術は入院して全身麻酔で取る、と言われていた。体が動くとキレイに取れなかったり、逆に取りすぎたりしてしまうので、全身麻酔。そして術後は1週間ぐらい一切、声を出してはいけないので入院が必要とのことだった。家に帰ると、つい声を発してしまって、傷口がキレイに治らない＆すぐ再発するそうだ。10日ぐらいの入院が必要だって言ってたよねー、女医さん。

「入院ですか？」　と聞くと、　「いつも鼻から入れてるカメラの管より少し太い管を入れて、それで取れるんですよ。のどだけ部分麻酔しますけど。終わってから数時間は飲み食いと喋ることは禁止ですけど、その日に帰れますよ」　だって。また　「へっ！？」　って言ってしまった。だって全身麻酔だって言ってたじゃーん！入院が必要だって言ってたじゃーん！
「入院＆全身麻酔じゃないくていいんですか？」　と聞くと、　「うーん、Ｌさんはカメラ入れても　『おえっ』　ってならないから、日帰りでも大丈夫だと思いますよ」　だって。えーっ！いつもカメラを入れたときに我慢できずに　「ハックション！」　ってするじゃん。それでも大丈夫なの？　「術後、1週間はなるべく声を出さないでもらいます。あと、タバコも禁止ですね。ばい菌が入るといけないですし、傷口に良くないですから。声を出さないように、というよりも、声自体がちゃんと出ませんからね。裏返ったり、かすれたり、普通には喋れないですね」　だって。

とにかく　「うーん、次の診察までに考えてきます」　とお返事して帰ってきた。

確かにポリちゃんは取らない限り無くなることはないから、いつかは取らないといけないんだろうけど、本当に日帰りで大丈夫なのかなぁ。5日以上、入院しないと生命保険のお金は申請できないしなぁ。でも、入院したらまた、お金も掛かるしなぁ。入院しないと、翌日から会社に行って普通に声を出して仕事しそうだしなぁ。家に居たら、禁煙ガマンが出来なくてタバコ吸ってしまうかもしれないなぁ。街を歩いたら、ばい菌なんてウヨウヨ浮遊していて口に入りそうだしなぁ。食べていいものとかダメなものとか決まっているなら、入院していた方が安心だよなぁ。入院となると去年のように、心配してお母さんが上京するよなぁ。そうなると、家に残されるお父さんの生活が心配だよなぁ。
うーん、もやもや。あ、写真は去年の、ね。

いやぁ、参ったねぇ。彦麻呂風に言うと、　「病気のデパートやー！」　って感じ。
次の診察は、年明けの1月。その時、私の決断は！？