立川談大さん

立川流一門の落語家・立川談大さんが4日、亡くなっていたということを8日のニュースで知った。信じられない。36歳という若さ。


談大さんは立川談志家元の弟子。8年前、前座全員が家元に破門された時の中のひとりだ。その後、談大さんは条件付で復帰するわけだが、私はこの破門された前座さんたちがみんな好きで、彼らが破門される前がいちばん落語を聴きに通っていた時期かもしれない。もう、10年ぐらい前かな。志加吾 (現:雷門獅篭) さんは家元や前座さんたちが登場する漫画の連載もやっていたし。真打ちよりも前座の会ばかりに通い、同世代の彼らが育っていくのを観るのが凄く楽しくて仕方なかった。前座さんたちは気軽にお話ししてくれるし、差し入れのお礼状も手書きで嬉しかった。勉強会のご案内状の封筒宛名はもちろん手書き、連絡先は自宅の電話番号だったね。


談大さんはクマさんのぬいぐるみみたいな風貌で、元気な前座たちが集まる会でもはしゃぐタイプではなかったかな。嵐のような前座たちのトークの中では要所要所でボソッと言葉を発し、それがまた面白い、そんな印象だった。もともと体が大きいので、高座に上がって正座していると、更に大きく見えた。前座の頃は、 「正座、大丈夫かなぁ」 と素人としては心配になったり。あの頃の前座の勉強会、持ちネタは少なくてハチャメチャだったけど楽しかったな。


私が最後に談大さんを見たのは数ヶ月前、よみうりホールのロビーで家元がお客さんに囲まれている時だったと思う。家元に握手をしてもらい、満足して出口に向かうと、囲まれている家元を遠くから見ている談大さんが立っていた。 「あ、談大さん」 と言ったのが聞こえたのか、ペコッと頭を下げてくれた。それが最後だ。


あの頃の前座さんたちも、今は二つ目になったり、他の門下に入って落語を続けていたり、様々。彼らのブログや同じ立川流の真打のブログには、談大さんのことがいろいろ書かれていた。みんな、言葉にならない、といった様子。36歳、早すぎる。
師匠の談志家元は 「ああ、談大無念也。お前は俺の弟子なのだ、バカヤロウ。」 とコメントしたそうだ。


談大さんも出演予定だった、4日の立川流日暮里寄席。吉幸さん (前座名:ブラ房さん) のブログのスケジュール、4日の日暮里寄席のところに 「※談大さんの代演で出演します。」 とあった。悲し過ぎる。破門後、談大さんと一緒に復帰したキウイさんのブログによると、この日、吉幸さんの演目 『家見舞』 は、談大さんが駒込で最後に努めたネタだそうだ。悲し過ぎる。


立川談大さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
談大さん、本当に何で?
いまから、古いチラシや撮らせてもらった写真を引っ張り出してみます。


2週間後は、立川流一門会だ。悲しいことが続く立川流。当日、どんな気持ちで落語を聴いたらいいのか分からないよ。


志らくさんのTwitterより。

師匠の弔辞に涙。談大、何かあったら電話しろ。キウイと練馬の家の映画のビデオの整理をしておけ。色々とありがとう。